世界一美しい旋律のアヴェ・マリア
2007年12月のフィギュアスケート日本選手権の女子エキシビションで素晴らしい曲に出会った。それはショパンの作品10-3 ホ長調(別れの曲)を歌曲にしたものだ。知らない人はいないと思われるほどの名曲だが、ソプラノで聞いたのは初めてだった。
演技者は浅田真央さん。ほんのさわりだけの演技だったので、流れた曲もさわりだけ。そこはかとない哀感を漂わせつつ感情の高まりが表現されていて、心に焼き付いて離れなかった。どうしても聞き込みたかったので、ネットで検索したところ、歌っていたのはレスリー・ギャレット(Lesley Garrett)というイギリスのソプラノ歌手だった。曲名は「So Deep Is The Night」という題名になっていた。レーベルはEMIだ。
早速HMV経由で届いた3枚組アルバム「Lesley Garrett Platinum Collection 」を聴いたところ、驚くべきことがわかった。最初はまったくの欠陥商品かと思ったほどだ。まずdisc2の16曲目「So Deep Is The Night」を選択して再生しようとしてみたのだが、16曲目が表示されない。これはいったい何ごとかと思い、3枚をとっかえひっかえ16曲目を探し、やっとdisc3になって、あの旋律が流れてきた。
パソコンで表示させて全容が判明した。ことは単純だった。単純だが考えられない商品だということがわかった。
つまり、「ディスクのラベルと中身が食い違っていた」ということだ。
念のため書いておくと、
disc1は実際の中身はdisc3
disc2は実際の中身はdisc1
disc3は実際の中身はdisc2
なのだった。
こんなことってあるのだろうか?それとも3枚組みにしては破格の安さからすると、海賊版なのだろうか?だが、HMV経由で買っているのだからそんなことはあり得ないとも思う。
欠陥商品かも知れないが、中身は問題なし。マグロの缶詰かと思って開けたらカツオだったという感じだろうか。実際聴くときには相当ややっこしい。
肝心の音楽だが、購入して心からよかったと思っている。まずレスリー・ギャレットの歌声がいい。透明感のある声は発生される直前の無というようなものを強く感じさせ、今いる空間を全く別の空間に変えてしまう力を持っている。
曲も何曲かは自分の中で相当上のランクに入るものがあった。中でもトルガ・カシフ作曲の「アヴェ・マリア」は特筆したい曲だ。disc2と3両方に入っているが、3の方は合唱付きといった感じの相当ドラマチックな編曲になっている。アヴェ・マリアには名曲が多く、3大アヴェ・マリアという分類もあるようだが、このアヴェ・マリアはたぶん世界で最も美しい旋律を持つアヴェ・マリアだと言えると思う。疑わしく思われる方は是非一度聴いてみられるといい。聴いたが最後、その旋律は耳から離れなくなってしまう魔力のようなものを持っている。作曲者Tolga Kashifはトルコ生まれの指揮者兼作曲家だ。レスリー・ギャレットの英国王立音楽院での後輩に当たるらしい。2002年発表のクイーンシンフォニーという曲でイギリスクラシック賞?を取っている。
この「Lesley Garrett Platinum Collection 」は、他にも名曲を取りそろえた実にお買い得なアルバムだ。
また、「浅田舞&真央 スケーティング・ミュージック」も「So Deep Is The Night」をはじめ「幻想即興曲」など浅田真央選手の使用曲を納めた、魅力的なアルバムとしてお勧めしたい。
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