蓮の葉の不思議な現象
蓮の花が見頃というので、近所の公園へ行ってみた。半径二十メートルほどの池には、緑の大団扇を連想させる蓮の葉があふれかえっていた。ちょうど時期がよく、生い茂る葉を押し止めるようにたくさんの桃色の花が咲き誇っている。
極楽に来たような気分でほとりを歩いていたら、一枚の葉に目を疑うような現象が起きていた。大皿ほどの葉の中心部に今朝方まで降っていた雨の名残らしき盃一杯ほどの水がたまっていたのだが、その水のかたまりがブクブク、ブクブクと泡立っているのだ。どう見ても目の錯覚ではない。絶え間なく泡が立っている。まるで沸騰しているようだ。それはどうも葉の中心から何かの気体が連続して漏れだしているとしか思えない。
たしか最近耳にした知識だが、蓮の茎はストロー状になっているという。それで葉の上に酒などを入れ、茎の先に口を付けて吸って飲むことができるというのだ。その反対の原理で、茎を通じて何かの気体が押し出されてきているのが、葉の真ん中に溜まった水でブクブクと見ることができているのだろう。
原理としてはいいのだが、その周辺の葉を見てもどれ一枚としてそんな現象を起こしているのは見ることができない。たとえ水は溜まっていても、皆、静かにとどまっているばかりだ。他に何千、何万の葉があるだろうが、どうも見る限りその一枚だけが不思議な現象を見せているのだ。
デジカメを持ってくるのをうっかり忘れてしまったことが悔やまれてならない。動画でとっておけば面白かったのだが。しかし、この映像は目に焼き付いている。今後蓮を見に行くときには注意してみてみたいものだ。果たしてこの現象には再会できるのだろうか。
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