パイプクリーナー
新年もひと月が過ぎようという頃、キッチンの排水口が詰まった。どうもこのひと月ほど流れが悪いなと思っていたのが、完全に詰まってしまった。1時間経っても2時間経っても減った気配がない。2、3日前にはパイプ洗浄剤を使っていたのに効果は無かった。 数年前にも1度こんなことがあり、その時には工事業者に来てもらった。我が家では排水口には不織布のネットを使用しており、細かい残滓も流さないようにしている。なぜ詰まるのかと聞いたら、油などが細かいカスとともに固まってしまうのだそうだ。皿の油汚れは紙でぬぐって洗っていたのだが、それでもダメらしい。
今回は一大決心して、自分で何とかすることにした。ホームセンターへ行ったら「パイプクリーナー」という道具が販売されていた。3メートルと5メートルがあり、長い方にした。1350円だった。長いに越したことはない。ただし、うまくいくか不安ではあった。
構造は簡単に言うと7ミリほどの太さの目の詰まったコイル状の長ーーいバネ。バネの中に硬くて弾力のある芯が入っているようだ。何重にか巻かれてパッケージされているのを開けるとビヨーンと伸びる。コイルの先端には芯から直結して硬い針金が大きなドングリほどの螺旋状になっている。それを縄跳びの持ち手のような中に通して使うのだが、その持ち手の中程にネジがあって本体のコイルを固定することができる。
使い方は至って簡単。コイルを持ち手から50センチほど出して、排水口の中に入れていくだけ。要するに詰まりを突き抜ければよいのだ。
やってみると50センチを過ぎたあたりで、最初の抵抗があったが、たいしたことはない。その後ところどころでパイプの継ぎ目なのか延ばしづらい箇所があったが、何とかクリアできた。それでもまだ水は流れない。肘のあたりまで汚水に入れての作業である。これがトイレでなかったのは幸せだ。
2メートルあたりで難関にぶつかった。いくら押し込んでも進んでくれない。1350円が無駄になるのか、妻の期待を裏切るのかと焦りが生じたが、ここで負けるもんかとガッガッガと小刻みに、そして強く押してやったらガスッと動く感じがして、同時に今まで停滞していた水が流れ始めるのがわかった。ここを先途と押し込んだら完全に突き抜けた手応えがあって、グポーッと勢いよく水は流れていったのであった。
めでたしめでたし。
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